技術士 過去問と 2023年度予想問題(道路)設問Ⅱ-2

2023年4月24日

サイト運営者/Consultant
Koyomi

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資格:技術士(総合技術監理、建設)、PMP、応用情報技術者、TOE(交通工学研究会上級技術者)など

今回は、設問Ⅱ-2(調査・検討内容、留意点・工夫、関係者との調整方法)について、交通計画系で予想される出題内容と解答案作成に必要な資料をピックアップし、解答案作成のポイントを整理してみました。キーワード抽出、解答作成の参考になればと多います!

1. 交通計画系で予想される出題内容

過去10年では以下のような内容が出題されています。国土交通省の主要な事業の中からの出題されていますので、今後は以下のような出題が想定されます。

・バスタプロジェクト

・道の駅第三ステージ

・歩行者利便増進道路

・ビッグデータを活用した渋滞対策

・ビッグデータを活用した事故対策


過去の出題内容

■2022年度

・スマートIC

■2021年度

・生活道路の交通安全

■2020年度

・重要物流道路における渋滞対策

■2019年度

・生活道路の交通安全対策

■2018年度

・無電柱化計画

■2017年度

・道路空間の再配分

■2016年度

・自転車ネットワーク計画の作成

■2015年度

・道路の横断構成の検討

■2014年度

・道の駅の計画

■2013年度

・交差点改良計画(渋滞、事故対策)

2. 模範解答

今回はバスタプロジェクトを例に、過去の出題内容を沿って整理してみました。

(解答は交通拠点の機能強化に関する計画ガイドラインを参考に作成しました)

(0)バスタプロジェクトの概要

『バスタプロジェクト』は、鉄道やバス、タクシーなど、多様な交通モードがつながる集約型の公共交通ターミナルを、官民連携で整備するプロジェクトです。MaaS・スマートシティとの連携、他の交通拠点との連携、新たなモビリティとの連携といった未来志向の取組や、防災・観光拠点としての機能強化等を推進します。

(1)調査・検討すべき事項

①上位計画での位置付けの調査

新広域道路交通計画のほか、自治体等がこれまでに作成した地域公共交通計画や都市計画等の 関連計画と整合させる必要があるため、各計画で位置づけられている交通拠点の基本計画等を把握する。

②現状調査

交通量、人口、渋滞、施設立地状況などの関連する基礎データを収集し、整理する。また、周辺住民や来訪者のニーズなどを調査する。

②整備方針の検討

交通拠点の整備方針では、関連計画の対象範囲の中から交通拠点を中心に、「計画の対象範囲」を大まかに設定し、地域の現状・課題・ニーズを参考に、土地利用や道路交通ネットワーク上の交通課題等の視点で「地域のポテンシャル・課題」を整理し、地域の特徴や将来的な動向に留意しつつ、交通拠点の機能強化の具体化に向けた「整備の方針」及び「整備イメージ」を検討する。

(2)業務の手順と留意点、工夫点

①構想の策定

本フェーズでは、上記に示した、①~③を実施する。

  • 関連計画の調査の際は、見直しの予定や計画に記載のない取組なども把握しておく必要があるため、必要に応じて関係者にヒアリングを実施する。
  • 現状調査の際には、オープンデータの活用し、作業の効率化、コスト縮減を検討する。
  • また、ニーズ調査では、WEBアンケートなどを併用し、作業の効率化、コスト縮減を検討する。

②計画策定

本フェーズでは、整備方針を踏まえ、事業、各施設の具体イメージを検討する。

  • 机上の検討だけではなく、現場検討会など企画し、イメージの具体化の精度を高め、関係者での共通認識を醸成する。
  • 事業計画の策定にあたっては、官民の事業区分や役割分担を明確する。
  • 整備効果把握のための手法やKPIなども検討しておく。
  • 予防保全型の維持管理を導入するため、整備した施設のデータベース化なども検討しておく。

③事業化

本フェーズでは、設計、施工を行う。

  • 設計段階では、BIM/CIMの導入による、設計から維持管理までの業務高度化を検討する。
  • 施工段階では、工事期間の渋滞発生防止のため、交通シミュレーションなどで工事の日時、同時実施箇所などを検討する。

④管理運営

本フェーズでは、計画に基づき、実際の管理運営活動を行う。

  • 管理運営手法については定期的な見直しが必要となるため、定期的に課題、ニーズなどの聞き取りを行い、継続的な見直しを実施する。

(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方法

  • 施設配置の最適化検討では、スマートプランニングなどの手法を用いて、定量的な分析を行い、視覚的に分析結果を出力することで、合意形成を円滑にすすめることができる。
  • 分野横断の取組となるため、議論の場として、まちづくり関係の部署、有識者、住民代表、事業者などを含めた検討会などを設置することで、意見交換、合意形成を円滑に進めることができる。

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございます!次回以降で、他の出題内容についても解答案作成のポイントを整理していきます。技術士勉強方法、過去問分析結果についての記事も是非ご覧ください!