技術士試験 二次試験対策(キーワード予測について)

2022年10月14日

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Koyomi

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職歴:建設コンサル→総合系コンサル
資格:技術士(総合技術監理、建設)、PMP、応用情報技術者、TOE(交通工学研究会上級技術者)など

技術士の二次試験では、採点者が設定するキーワードを含めた解答をする必要があり、解答が素晴らしくてもキーワードが入っていないと合格することはできません。従って、技術士の勉強の第一歩として「キーワード抽出」が重要になります。

ですが、キーワードの抽出方法は公開されていないため、過去問や合格者論文から予測する必要があります。そこで今回は、合格実績のある道路部門についてキーワード抽出を見据えて、これまでの過去問を分析してみました。この記事をもとに、資料や文献を検索し、キーワードを抽出していくことで、予測精度が上がると思いますので参考にしてみてください!

(1)設問Ⅱ-1(用語の知識)


計画系:交通需要推計手法の手順、設計時間交通量の概念と設定の考え方、歩行者利便増進道路概要と期待される効果など、交通工学に関する知識と新設された制度に関する知識が問われています。

設計系:道路構造令(車道の縦断勾配の設定の考え方、最小曲線半径の算定の考え方など)、技術基準(道路土工構造物技術基準の策定背景とポイントなど)、新たな技術・点検、対策工に関する知識(切土のり面崩落につながる変状事例と点検時のポイントなど)など幅広い分野に関する知識が問われています。


ほぼ毎年出題されている交通工学、道路構造令に関する知識は以下の書籍で網羅的に整理されているので、おすすめです。設計系で出題されている技術基準や新たな技術・点検・対策工に関する知識については、日常の業務で参照する基準書などのポイントを整理することに加え、国土交通省が公表している標準仕様書に記載のある基準書から内容を把握できていないものを抽出し、ポイントを整理しておく必要があると考えます。

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また、交通工学、道路構造令の知識については、TOP(交通技術資格者)試験取得を目標に学習することで、モチベーションを維持しつつ、問題集でアウトプットもできるので、お勧めです!

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過去5年間の出題内容:設問Ⅱ-1(用語の知識)

■2022年度

  • 車道の縦断勾配特例値の設定の考え方と留意点
  • 踏切道改良促進法の概要と改定された社会的背景
  • 再生加熱アスファルト混合物の製造方法
  • 盛土の地震時の安定性の照査

■2021年度

  • 交通需要推計手法の概略手順
  • 特定車両停留施設の概要
  • 舗装の使用目標年数の概要と狙い
  • ICT土工の効果、出来形管理の手法

■2020年度

  • 設計時間交通量の概念と設定の考え方
  • 歩行者利便増進道路の概要と期待される効果
  • 車道及び側帯の舗装の必須の性能指標とその内容
  • 落石対策工の内容と調査・検討手順

■2019年度

  • 最小曲線半径の算定の考え方及び適用にあたっての留意点
  • 重要物流道路の目的
  • 連続鉄筋コンクリート舗装と転圧コンクリート舗装の構造の概要と特徴
  • 切土のり面崩落につながる変状事例と点検時のポイント

■2018年度

  • 地震により上部構造が落下する可能性が高い道路橋の特徴と想定される被災メカニズム、安全性を高めるための落橋防止システム
  • 自転車活用推進法が成立した社会的背景と道路にかかわる施策
  • 路上路盤再生工法の概要、特徴、留意点
  • 道路土工構造物技術基準が制定された背景と当該基準のポイント

設問Ⅱ-2(調査・検討内容、留意点・工夫、関係者との調整方法)

計画系:スマートIC、事故対策、渋滞対策、防災(無電柱化)など近年のトレンドに関する内容が問われていますので、委員会資料や国道事務所のHPなどを参照し、各業務のポイントや進め方を整理しておく必要があると考えます。以下にわかりやすいサイトを載せているので参考にしてみてください!

渋滞対策委員会資料例(首都圏ボトルネック対策協議会)

事故ゼロプラン(新潟県版)

設計系:高速道路の整備計画・設計、近年発生した問題事象への対応、特殊な条件下での設計など多様な業務内容が問われています。範囲が広いので絞り込みが難しいですが、国土交通白書や国土交通省の記者発表から課題と最近発生した問題事象への対応について情報収集、整理が必要になると考えます。

例)高速道路の暫定2車線区間の4車線化についての記者発表内容


過去5年間の出題内容:設問Ⅱ-2(調査・検討内容、留意点・工夫、関係者との調整方法)

■2022年度

  • スマートIC
  • 4車線事業に係る計画、設計方法

■2021年度

  • 生活道路の交通安全
  • 高速道路の床板取り換え工事の計画立案

■2020年度

  • 重要物流道路における渋滞対策
  • 地下の占用物件の老朽化による路面陥没や断水といった事象を加味した、舗装修繕工事の計画立案

■2019年度

  • 生活道路の交通安全対策
  • バイパス新設事業の工程計画

■2018年度

  • 立体的な道路整備計画がある区間における交差点計画
  • 無電柱化計画

Ⅲ(課題抽出、解決策、リスクへの対応)

物流、維持管理、防災、DX、MaaSなど国土交通省が掲げている課題への対応や、直近で起こった特徴的な事象への対応(大雪やオリパラへの対応)などが問われています。こちらは国土交通白書から道路分野に関するテーマを抽出し、課題抽出、解決策を整理しておくことが重要と考えます。


■2022年度

  • デジタル技術、最新のモビリティ分野に進展等に起因による、道路ニーズ多様化への対応
  • 道路の維持管理

■2021年度

  • 降雪に伴う車両滞留への対応
  • 暫定2車線区間への対応

■2020年度

  • 自転車の活用推進
  • 道路の防災対策

■2019年度

  • 大規模イベント時の交通需要マネジメント(オリパラ)
  • 道路構造物のメンテナンス

■2018年度

  • 高速道路における物流円滑化への対応
  • 降雪に伴う車両滞留への対応

まとめ

過去問の分析結果より、キーワードを抽出する視点や対象を具体的にイメージすることができたと思いますので、参考にしてみてください!業務経験があまりない方は、インプットすべき情報が多いので早めの勉強開始をお勧めします。最後までお読みいただきありがとうございました!

この記事を書いた人
koyomi

コンサルタント経験13年で貯めたノウハウを発信中。建設系の企業への経営・IT・技術支援のコンサルタントとしての起業に向けて準備中。
職歴:建設コンサル→総合系コンサル
資格:技術士(総合技術監理、建設)、PMP、応用情報技術者、TOE(交通工学研究会上級技術者)など