自動運転 海外事例と日本の動向
自動運転の普及に合わせて、道路側の整備も進んでいます。あまり目立たないですが、今後の自動運転車が普及に合わせて世界中の全ての道路を改修していくことを考えると、大きな市場になることが想定されると思っています!アメリカ、中国などで検討が先行しており、自動運転車両用の車線を整備したうえで、道路と車が通信しながら自動運転車両の安全かつスムーズな走行を実現する内容となっています。
① Cavnue自動運転回廊プロジェクト(アメリカ)
デトロイトからアナーバーをつなぐ約64kmのアメリカで初めての自動運転車両用道路の建設を発表しています。グーグル系「Cavnue」がプロジェクトを進めており、まずはコネクティッドバスなどのシェアモビリティを走らせる予定となっているようです。 その後、貨物車や自家用車などのコネクティッド自動運転車に対象を拡大するようです。
道路には専用車線、センサーで読み取り可能な区画線や標識、交通状況、天気、路面状況などを感知するセンサーなどを設置するようです。自動運転専用車線を整備するので、通常より車間距離を短くすることができるので、交通容量が増加します。また、速度も一定に保つことができるので坂道などによる速度低減に伴う渋滞を緩和することができると考えます。また、通常車線との出入りは事故が懸念されますが、車と車が通信(車車間通信)して、自動運転で合流できるようなイメージとなっています。
道路の落下物や異常時の緊急回避などについては、詳しく書かれていませんが、道路インフラ側でのセンサーやカメラによる監視、車のセンサーのどちらかで検知して車を緊急停止させるか、有人走行に戻すかなどの対応が必要になると考えています。
詳細を確認したい方は以下のリンクを覗いてみてください。
Connected & Automated Vehicle Corridor Concept
② 杭紹甬スマート高速道路
中国では官民連携での高速道路の整備を進めており、浙江省杭州⇒紹興⇒寧波を結ぶ「杭紹甬スマート総則道路」の建設計画が2020年に発表されています。浙江省交通運輸省「スマートハイウェイ建設ガイドライン」(2020.3)も発表しています。中国では自動運転に対応する初めてのガイドラインであり、今後の整備の指針となることが想定されます。
こちらの整備内容も①と類似しており、道路のカメラやセンサーと自動運転、自動運転車同士が通信することで、一定速度で車間距離を短くした走行が可能になり渋滞の改善や事故時の対応が可能になると考えています!
③日本の動き
日本の高速道路(ネクスコ東日本)でも、自動運転レーンの設置に向けて検討が進んでいます。本構想に関する動画が以下にありますので、参考にしてみてください。
また、内閣府が中心となり、関係府省・機関が連携して推進する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)でも、自動運転の実現に向けた検討が進んでいます。SIPの中間報告では、以下の4つにいての検討結果が示されています。
- 自動運転システムの開発・検証(実証実験)
- 自動運転実用化に向けた基盤技術開発
- 自動運転に対する社会的受容性の醸成
- 国際連携の強化
詳細が気になる方は、以下を覗いてみてください!
SIP第2期自動運転(システムとサービスの拡張)中間成果報告書
まとめ
今後、自動運転の普及に合わせて、一般道でも道路側での対応が必要になっていくことが想定されます。コンサルタントとしては、海外の動向もにらみながら、日本での将来像を描き、実現を支援していくことが求められそうですね!また、技術士の試験(道路や都市計画)でも出題される可能性がありそうなので、最新情報は頭に入れておきたいです!
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